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会長挨拶

   実践経営学会第65回全国大会は、ご案内のとおり、八戸学院大学において開催の運びとなりました。金沢星稜大学 (第62回)以来、会員諸氏待望の対面開催を予定しております。    東京都立産業技術大学院大学(第63回)、亜細亜大学(第64回)関係各位のスムーズな運営に助けられ、当初戸惑 い気味であったコロナ禍のWeb開催も大過なく禍を福となすことが出来ました。本学会のみならず大学・企業・行政・家庭 におきましても同様の状況を産み出し、社会の状況を一変させております。大学のハイブリッド型授業、企業の在宅勤務拡 大、行政機関の各種催しのWeb開催、遠隔地の家族間交流は元より、高齢者をWeb上に集めて交流することも行われる ようになりました。コロナ禍は未だ予断を許しませんが、一歩ずつ克服の道筋を辿り始めました。
   その矢先、ロシアのウクライナ侵攻による戦禍の勃発、瞬く間に世界を暗鬱の闇に包み込みました。穏やかな日常が突如 として崩壊する戦争の恐怖、信じ難い映像が日々映し出されています。人々の幸福と分かち合いの公器として機能すべき 国家が、一夜にして暮らしと命を奪い去る悪器と化す現実を生々しく見せつけられ、「またしても」の思いに駆られます。
アルバート・アインシュタイン&ジグムント・フロイト著/養老孟司解説/浅見昇吾編訳/小田謙爾付録執筆『ひとはなぜ戦争を するのか?―アインシュタインとフロイトの往復書簡』花風社2000は、1932年当時の国際連盟委員会の依頼を受け、アルバ ート・アインシュタインからジグムント・フロイト宛に出された書簡とその返書を復刻した書物です。第二次世界大戦勃発間近 のナチズム台頭の時代、二人のユダヤ人平和主義者の往復書簡は、90年の歳月を経てなお未解決の人類の課題を喝 破しており、養老孟司の解説文や付録年表と合わせて一読すると今も震撼とします。
   このたび全国大会の開催される八戸学院大学の所在する青森県は、八戸市の是川遺跡群をはじめとし、青森市の三 内丸山遺跡、小牧野遺跡、弘前市の大森勝山遺跡、つがる市の亀ヶ岡遺跡、外ヶ浜町の大平台山元遺跡、七戸町の二 ツ森貝塚など、旧石跡時代から続く遺跡の宝庫であります。考古学的発見と科学的解析技術の発展と相まって、民俗学・ 社会学・宗教学・文芸・哲学など、あらゆる分野の人々の叡智を結集し、文字記録の残らない時代の解明に取り組んでいま す。この地域に住んだ人々の幾万年に及ぶ生業の証は、この国の成り立ちをも問い直すムーブメントを引き起こしています。
   実践経営学会の課題は、遠い過去や未来を展望することよりも、直面する現実の経営課題に真摯に向き合うことを本旨 とすることは云うまでもありませんが、人類が地球に足跡を残して以来、疫禍や戦禍、無数の飢餓や災害を凌駕して生き続 けている事実と、その延長線上に素描されるあるべき未来の手がかりを展望することもまた意義あることと信じています。

    

                地球は一つホモサピエンスの春愁ひ  重美

令和4年 暮春。

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