「実践経営学会第53回全国大会ごあいさつ」
2010年7月吉日
実践経営学会会員各位
実践経営学会第53回全国大会
大会実行委員長 小原 久美子(県立広島大学)
中国・四国支部会からのご挨拶
盛夏の候、会員の皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、実践経営学会第53回全国大会は、実践経営学会中国・四国支部会と広島県社会保険労務士会協賛により、JR広島駅から路面電車で20分ほどにあります「広島県情報プラザ」にて、2010年9月10日(金)~12日(日)の日程で開催されます。9月10日は、広島県下の地域企業でしかも、グローバル企業である「サタケ」や「賀茂鶴」の視察研究等お
よび常任理事会・新旧理事会を予定しております。そして、9月11日、12日は「広島県情報プラザ」にて全国大会を開催する予定となっています。
本大会の統一論題は、「経営理念を基軸とした企業経営と人間力―人間性と合理性の調和を求めて―」というテーマにあります。今日の世界的規模での金融危機や、それに伴った不況の波は当然のことながらわが国の企業経営にさまざまな側面において大きな打撃を与え、ややもすれば合理化一辺倒に偏った企業経営の下で、人間個人の尊厳を軽く見る意識を植え付けています。また、地球環境問題は、もはや企業経営において最も重要な戦略課題となりました。このような現代社会の環境状況において、さらに深刻さを増すものとして、企業不祥事の多発化が常態化しているように思えてなりません。
ここで今一度、企業経営の目的や理念・存在意義について再考し、現代のグローバル化した社会と企業経営との関わり方について再考すると共に、「企業は人なり」という基本に立ち返り、企業組織内部における人間性と合理性の調和を求め、人間個々人の尊重の上に支えられた企業経営を実践することで、組織における個人と全体がともに
成長・発展・進化しうるような、これからの企業経営を考えていきたいと思います。
そこで、10日の広島地域企業視察は、本統一論題に沿った理念経営研究に相応しい、世界トップの食品加工機総合メーカーの地位を確立した「株式会社サタケ」と、現在までに83個もの金賞を受賞し、酒造りに心を込め続ける「賀茂鶴酒造株式会社」の企業視察からスタートします。そして、11・12日の「広島県情報プラザ」で開催される全国大会では、広島での初めて開催ということもあり、世界遺産である宮島厳島神社を中心として「地域と大学を結ぶ宮島学の取り組みと厳島の芸能」というテーマで、県立広島大学人間文化学部教授の樹下文隆氏に特別講演をお願い致しました。また、統一論題基調講演として、賀茂鶴酒造株式会社取締役副社長・製造本部長の小林信也氏に「日本の酒造り―自然・微生物・人間との協調―」というテーマでご講演をお願いし、その後会場からのご活発な議論に加え、実践経営学会会長の平野先生に統一論題の観点から検討を加え総括して頂きます。
今回の大会が中国・四国支部初の記念に残る有意義な大会となり、また、わが国の実践経営学研究のさらなる発展に貢献できるよう、大会実行委員一同総力をあげて準備を進めております。是非とも会員の皆様の積極的なご参加を、心よりお待ち申し上げます。